個人情報保護・情報漏洩

自社の社員が個人情報を不正に閲覧した場合、どのように対応すればよいでしょうか?もし被害が発生していた場合、どういう責任を問われる可能性がありますか?
個人情報の保護については、個人情報保護法が明確なルールを定め、その遵守が求められています。一方で、社員が不正行為を行った場合、企業は迅速かつ適切な対応が求められます。ここでは、不正行為が発覚した場合の対応と、被害が発生した場合の責任について解説します。
不正行為が発覚した場合の対応
企業が個人情報保護法を遵守している場合、不正行為が発覚したら次の5つのステップを踏むことが望ましいです。
1.事実確認
まずは事実を確認する必要があります。具体的には、どの程度の情報が閲覧されたのか、何の目的で、どのような手段や利益があったのかを把握することが大切です。その情報が外部に漏れた可能性がないかも確認しましょう。
2.対象者の処遇
不正行為を行った社員に対しては直ちに処分する必要があります。不適切な情報の閲覧、提供、改竄等があった場合、懲戒処分や解雇などの措置を検討してください。
3.被害の判定
被害の有無を確認し、必要に応じて対象者に通知する必要があります。不正行為によって取得した情報を第三者に提供された可能性がある場合は、被害の範囲を調査し、保険会社や有識者に相談してください。
4.報告と速やかな対応
不正行為を発見した場合は、速やかに本部や上層部に報告し、適切な対応を講じます。報告内容については、誰に、どのように、どの程度を報告するかを慎重に判断しなければなりません。
5.再発防止策
不正行為が発覚した場合、再発防止策も実施する必要があります。これには、社員教育の強化、組織のシステム改善などが含まれます。また、その他には、個人情報管理責任者の指定、監査体制の確立、情報セキュリティポリシーの策定などがあげられます。
責任の問われる可能性
個人情報保護法は、個人情報を不適切に取り扱うことで、企業に罰則を課することができる法律です。この法律に従わない企業は、最大で2年以下の禁錮刑、または最大で2000万円以下の罰金が科される可能性があります。以下に、責任を問われる可能性がある項目について解説します。
1.個人情報保護法違反
不正行為が発生した場合、個人情報保護法に違反している可能性があります。個人情報保護法は、個人情報に関する事項について適切な管理を行うことを課しています。社員による不正行為は、企業がその管理措置が適切でなかったことを意味し、そのため、適用されます。違反が認められた場合、罰金刑または刑事罰が科される可能性があります。
2.民事責任
不正行為が原因で、利用者や取引先などから損害賠償を請求される可能性があります。ここで、損害として考えられるのは、損失や精神的苦痛、名誉毀損などです。
3.刑事責任
個人情報保護法違反以外にも、社員による不正行為が盗聴や盗難、詐欺行為や詐欺罪などの犯罪行為に該当する場合もあります。この場合、刑事責任が課される可能性があります。
まとめ
個人情報の保護には、企業にとって非常に重要な役割があります。不正行為が発生した場合、無責任に放置せず、被害に対する責任を取る必要があります。個人情報保護法を遵守し、不正行為があった場合は、迅速かつ適切な対応を行い、再発防止策も実施することが基本的な対応といえます。また、不正行為によって損害が生じた場合は、民事責任や刑事責任が問われる可能性もあるため、事前に適切な対策を講じる必要があります。
おすすめ法律相談

ある美容クリニックが、自社の医療行為を、本当よりも効果がよくなるように宣伝しているように感じます。不正競争防止法に基づき、何か対処することはできますか?
美容クリニックが、自社の医療行為を、本当よりも効果がよくなるように宣伝している...

農地を持っているが、作物を栽培している周辺の土地が商業地に開発され、農業に従事する環境が悪化した場合、補償は受けられるのでしょうか。または、農業以外の用途への変更は可能でしょうか。
日本の土地法によると、土地は所有者が自由に使用できる資産であり、その使用方法も...

交差点で車を停止した際、後ろから追突された。相手方はノンフリート契約の保険に加入しているが、直接対話ができない為、保険会社を通じて請求を進める方法があるのか知りたい。
交差点で車を停止していたところに、後ろから追突された場合は、多くの場合、後方不...

自宅兼事務所として使用しているマンションを、事務所専用にすることを検討しています。使用変更について、法律的な手続きは必要でしょうか?
自宅兼事務所として使用しているマンションを、事務所専用にすることを検討する場合...

Dさんは、職場でパワハラを受け大きなストレスを抱えています。現在は、休職していますが、労災認定の可能性があると聞きました。具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか?
Dさんがパワハラを受けた場合、労働安全衛生法に基づいて労働者保護の立場から労働...

佐々木健太郎さん(会社員、32歳)は、妻との間に子供ができてから、妻が性格が変わってしまい、態度が冷たくなったと感じています。また、子供を育てることに対しても消極的であり、自分が子育てを行っている感覚があります。佐々木さんが、妻との離婚について法律相談を行いたいと思っています。
まず初めに、日本においては離婚には相手方の同意が必要なものではありません。しか...

自分が経営する飲食店が、暴力団から「用心棒を雇わなければ危ない」と脅され、取引を続けざるを得ない状況にあります。どうしたら自分の店を守りつつ、暴力団との関係を断てるでしょうか。
まず、暴力団との関係を断つことが重要であります。一旦、暴力団に屈服への道に入っ...

食品を製造して販売するために、許認可が必要になるかどうかを知りたいです。また、必要であればどのような手続きをすれば良いのでしょうか。背景としては、自宅で手作り料理を販売することを考えています。
食品を製造して販売する際に許認可が必要かどうかは、製造する品目や販売する場所な...