就業規則・人事労務

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Fさんは、派遣社員として製造工場で勤務しているが、最近、同じ作業を行う正社員よりも低い賃金で働いていることに不満を感じている。派遣社員と正社員では、賃金に差があってもよいのか、法律的にはどうなのか、相談したい。

派遣社員と正社員の賃金の差は、一般的には法的に問題ないとされています。しかし、これはあくまでも「一般的な」基準であり、特定の状況に応じて異なる場合があります。以下では、派遣社員と正社員の賃金について、法的な観点から詳しく解説していきます。



まず、派遣社員と正社員の賃金に差がある理由の一つは、「労働法において派遣契約により雇用された場合には、正規雇用者と比較して、金銭的なメリットが少なくならざるを得ない」とされることです。これは、派遣社員が正社員と異なり、雇用契約の期間が短いことや、その他社内制度・福利厚生などが異なるからです。また、派遣業界自体が、労働者を安く雇用することが一定の需要を満たすことがあるため、賃金に差が生じることもあります。



しかしながら、派遣業法により、派遣会社は「正当な事由なく派遣労働者に対し、正社員や他の派遣労働者と不当な差別をすることはできない」とされています。このような差別とは、例えば同じ作業をしている場合に、同じ労働内容であるにも関わらず異なる給与を支払うことです。このような場合、派遣会社は「正当な理由」を示す必要があります。



「正当な理由」とは、法律的に定められているものはないため、派遣会社が自己の裁量で査定することになります。しかし、差別の理由としては、以下のようなものは認められていません。



1. 派遣労働者と正社員の違いに起因するもの(例:雇用期間の長さ、勤務時間、年齢、性別)

2. 派遣労働者の雇用状況が有期契約ということに起因するもの

3. 派遣会社が正当な契約内容にしたがって、正社員よりも短い勤務時間や少ない労働条件を設定している場合を除いて、契約状況や職務の違いに起因するもの



また、派遣労働者が、正当な理由なく差別された場合は、派遣法により雇用契約の強制履行・賃金の支払い命令を求めることができます。この場合、派遣会社は、過去の支払い差を補償する義務があります。



さらに、派遣社員には派遣法に基づく「同一労働同一賃金」という概念があります。これは、同じ仕事をしている人は、労働期間や雇用形態の違いに関係なく、同等の賃金を得ることが望ましいとされるものです。同一労働同一賃金の実現に向けては、派遣法が改正され、2020年からは、同じ職場内での派遣労働者と正規雇用者との賃金差を一定の範囲内に抑えるための取組が義務づけられています。



ただし、同一労働同一賃金は、単純に「派遣社員の賃金を正社員と同じにすること」を求めるものではありません。派遣社員と正社員では、雇用条件が異なることが多いため、同一労働同一賃金の適用範囲を設定することが必要です。



以上、派遣社員と正社員の賃金差について、労働法的な観点から解説してきました。派遣社員が正社員と比べて賃金が低い場合には、「正当な理由」があるかどうかを確認する必要があります。また、同一労働同一賃金の観点からも、派遣労働者の賃金に注目が集まっています。仮に違法な賃金体系により、被雇用者に不利益が生じた場合には、労働者は、労働争議や労働契約上で不当な労働条件がある場合には、労働局に対し申し立てることができます。

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