遺言書作成・相続手続き

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遺言書について、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは何ですか?

遺言は、死後に遺された財産分与について、遺された者が自分の望む分配方法に従って財産を分けるように定めた文書です。遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。自筆証書遺言とは、被相続人自身が自分で書いた遺言書であり、公正証書遺言は、公証人が立ち会い、被相続人の意思や意向を確認した上で作成した遺言書です。



以下、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて詳しく解説します。



【自筆証書遺言】



自筆証書遺言とは、被相続人自身が書いたとされる遺言書のことです。自筆証書遺言を作成するためには、以下の要件が必要です。



① 被相続人本人が自分で書いたことが明らかであること

② 遺言書に「遺言」の旨が明記されていること

③ 被相続人本人が署名していること



また、補足的な要件として、遺言書に日付が記載されていること、内容が明確であり書体が遺された意思を表していることが挙げられます。



自筆証書遺言は、手書きで書かれた文書を指しますが、パソコンやスマートフォン、タブレットなどで作成することもできます。ただし、USBメモリーやデジタルファイルなどは自筆証書遺言として認められないため、紙媒体である必要があります。



自筆証書遺言の有効期間は、被相続人が死去するまでです。遺言を撤回したい場合は、新たな自筆証書遺言を作成する必要があります。自筆証書遺言は、作成時に公正証書遺言とは異なり、第三者に開示することは原則として不要です。これにより、被相続人は、自分の遺言書についての秘密を守り、プライバシーを守ることができます。



自筆証書遺言は、被相続人が自分で書いた遺言書ですので、裁判所が相続人や家族などによって遺言書の内容について争いが起こった場合でも、被相続人が死去前に自分で書いたという証明を取れば、遺言として認められる可能性が高いです。



しかし、自筆証書遺言は、被相続人本人が書いた遺言書であるため、書いた本人が物事を認識していたかどうかや記憶していたかどうかを証明することが必要になる場合があります。また、被相続人が認知症などの理由で、自筆証書遺言を書くことができない場合があります。そのため、遺言書の作成方法に慣れていない方や、財産規模が大きいなどの理由で、被相続人が公正証書遺言を作成することを検討する場合があります。



【公正証書遺言】



公正証書遺言とは、公証人が立ち会い、被相続人の意思や意向を確認した上で作成した遺言書のことです。公正証書遺言を作成する場合には、以下の要件が必要です。



① 被相続人の意思や意向を確認し、被相続人が作成したい旨が明確なこと

② 遺言書に「遺言」の旨が明記されていること

③ 遺言書に必要な情報が記載され、被相続人本人が署名していること

④ 公証人と被相続人が立ち会い、公証人が被相続人の意思や意向の確認を行っていること

⑤ 遺言書が公証人によって保管されたこと



また、補足的な要件として、遺言書に日付が記載されていること、内容が明確であり書体が遺された意思を表していることが挙げられます。



公正証書遺言は、公証人が立ち会い、被相続人の意思や意向の確認を行っているため、被相続人が心身ともに健康であっても、証拠となる書類が残ることによって争いになる可能性が減少し、遺言書の法的な信用性が高まることが特徴です。



また、公正証書遺言は、公証人が立ち会い遺された意志や意向を確認しているため、自筆証書遺言に比べ内容が遺された本人の意図に忠実であるとする評価もあります。公正証書遺言には、書式に沿って記入する必要があり、約10万円程度の登録費用が必要となるため、自筆証書遺言に比べ費用がかかることがデメリットとしてあげられます。



以上が、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いです。遺言を作成する際には、自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴を理解することが重要となります。遺言がしっかりと作成され、遺される方々にとって少しでも負担の減るようになるよう祈念します。

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