不正競争防止法・景品表示法

公正取引委員会からの調査・処分命令について相談したい
公正取引委員会は、競争政策を担当し、不当な競争行為の防止や企業間の公正な競争を促進することを目的としています。そのため、公正取引委員会は、企業が不当な行為を行っていると判断した場合、調査・処分命令を出すことがあります。ここでは、公正取引委員会からの調査・処分命令について詳しく解説していきます。
1. 公正取引委員会が調査を行う理由
公正取引委員会が調査を行う理由は、主に以下の3つです。
1-1. 不当な競争行為の疑いがある場合
公正取引委員会は、不当な競争行為が疑われる企業を対象に、調査を行うことがあります。不当な競争行為には、以下のようなものがあります。
・価格カルテルや地域カルテルの形成
・固定価格販売や帰属価格販売の実施
・排除的な契約の締結
・広告宣伝における虚偽の表示や誇大広告の実施
1-2. 大手企業の取引慣行の見直し
公正取引委員会は、大手企業が取引慣行を変更しない場合、競争が歪められるおそれがあるとして、調査を行うことがあります。大手企業が行っている取引慣行には、以下のようなものがあります。
・値引きの強要
・支払い条件の変更
・特定の取引先への優越的取引条件の提供
1-3. 消費者に対する被害がある場合
公正取引委員会は、消費者に対する被害があると判断した場合、調査を行うことがあります。消費者に対する被害には、以下のようなものがあります。
・消費者に対する虚偽の表示や誇大広告の実施
・消費者に対する不当な勧誘行為の実施
・商品の品質や安全性に関する表示や情報の不十分さ
2. 公正取引委員会の調査手続き
公正取引委員会が調査を行う場合、以下のような手続きがあります。
2-1. 公正取引委員会の調査員による立入検査
公正取引委員会は、調査員を派遣し、企業の事務所や施設に立ち入って、書類やデータの閲覧、聞き取り調査を行います。立入検査は、協力的な姿勢を示した場合は、透明性や公正性の確保のため、裁判官や弁護士など中立的な第三者の立ち会いの下で行われます。
2-2. 聴取
公正取引委員会は、対象企業の関係者や証人を呼び出し、聴取を行います。聴取は、調査員や弁護士などの中立的な第三者の立ち会いの下で行われます。
2-3. 書類送検
公正取引委員会は、調査中に収集した書類やデータを検討し、違法行為が認められた場合は、その企業を対象とした書類送検を行います。
3. 公正取引委員会からの処分命令
公正取引委員会は、調査の結果、違法行為があった場合には、処分命令を出すことがあります。処分命令には、以下のようなものがあります。
3-1. 行政処分命令
行政処分命令とは、公正取引委員会が出す行政処分のうち、違反企業に直接的な制裁を科すものです。違反企業は、処分命令に従わない場合、罰則金などの制裁を科されることがあります。
3-2. 告発処分命令
告発処分命令とは、違反企業が行っていた不当な行為を告発した者が対象となります。告発者に対しては、報奨金が支払われることがあります。
3-3. 停止命令
停止命令とは、違法行為を直ちに中止するよう命じるものです。この命令に従わない場合、罰則金が科せられることがあります。
4. 調査・処分命令に対する対処方法
公正取引委員会からの調査・処分命令に対して、企業が取れる対処方法は、以下のとおりです。
4-1. 申し立てを行う
公正取引委員会からの処分命令に不服がある場合、企業は、申し立てを行うことができます。申し立ては、公正取引委員会に対し、処分命令に不当な点があること、違法行為が認められないことなどを主張することができます。
4-2. 行政不服申立てを行う
申し立てに不服がある場合、企業は、行政不服申立てを行うことができます。この場合、裁判所に対し、公正取引委員会からの処分命令が適法であるかどうかを判断してもらうことができます。
5. まとめ
公正取引委員会からの調査・処分命令は、競争政策の促進と不当な競争行為の防止を目的として行われます。調査の対象となる不当な競争行為には、価格カルテルや地域カルテルの形成、固定価格販売や帰属価格販売の実施、排除的な契約の締結、広告宣伝における虚偽の表示や誇大広告の実施などがあります。処分命令には、行政処分命令、告発処分命令、停止命令があります。企業は、申し立てや行政不服申立てを行うことができます。
おすすめ法律相談

Fさんは、ある発明家で、自身が発明した新技術に特許を取りたいと考えています。しかし、彼女の発明には複数の発明が含まれているため、特許に関する法律相談をすることにしました。
Fさんが自身が発明した新技術に特許を取りたいと考えた場合、まずは自身の発明が特...

帰化の申請時に、日本語能力検定試験を受験する必要があることは知っていますが、どのような種類の試験があるのでしょうか?試験に不合格だった場合は、帰化が却下されるのでしょうか?
帰化における日本語能力検定試験の詳細について説明します。 帰化における日本語...

社内で共通の利用者アカウントを用いるシステムの中で、他部署からアクセスされた疑いがある。透明性のある証拠収集方法や、漏洩していた場合の責任について相談したい。
社内で共通の利用者アカウントを用いるシステムがある場合、そのアカウントを使用す...

自己破産の手続き中に余計なことをしてしまった場合、どうなるのでしょうか。 Hさんは40代男性で、自営業を営んでいますが、事業の失敗により多額の借金があり、自己破産手続き中に何か問題が起こった場合について心配しています。
自己破産手続きは、債務者が借金や支払い義務から解放されるための手続きであり、法...

Aさんはある外資系企業に勤務している。最近、上司の不正行為を発見し、コンプライアンス部門に報告したが、何も対応されないため、そのまま放置されている。今後どうすべきか悩んでいる。
Aさんが上司の不正行為を発見し、コンプライアンス部門に報告したが、対応がされな...

一軒家を購入したが、所有権移転登記ができない 昨年、Aさんは都内の一軒家を購入しました。しかし、所在地の地番が旧式のままであり、所有権移転登記ができない状態が続いています。Aさんはどのように対処すべきでしょうか。
まず、所有権移転登記ができない原因は何であるかを明確にする必要があります。地番...