労働問題・労災

病気を患ってしまい、仕事に行けなくなりました。会社からの解雇や辞職勧告を受けて、不安です。
病気を患ってしまい、仕事に行けなくなるというのは、誰にでも起こり得ることです。しかし、その場合、会社からの解雇や辞職勧告を受ける可能性もあるため、不安になることは理解できます。
まず、会社からの解雇や辞職勧告について、その決定が正当かどうかを判断するためには、どのような法的基準があるのか理解する必要があります。
労働契約法によれば、解雇や辞職勧告が正当であるかどうかは、その理由の正当性、相当性、適法性によって判断されます。
正当な理由:会社が解雇や辞職勧告を行う理由は、以下に該当する必要があります。
・業務上の遂行が不可能と判断された場合
・医師から病気療養のために休業が必要と診断された場合
・期間を限っての労働契約において、期間満了によって解雇した場合
・懲戒解雇に該当する行為があった場合
・経営状況の悪化等によって不要とされる業務に従事している場合
相当な理由:解雇や辞職勧告を行う方法が、相当なものであるかどうかも判断基準となります。特に、治療期間中などの期間限定のものであるか、それとも一方的な行為であるかどうかが問われます。
適法な手続き:解雇や辞職勧告を行う際には、法律で定められた手続きを適切に踏む必要があります。
・退職届の提出
・書面での通知
・面談の実施等
これらの基準を満たすことが、解雇や辞職勧告の正当性を保障するものとされています。
では、病気を理由に解雇や辞職勧告された場合、その解雇や辞職勧告が正当であるかどうかはどうなのでしょうか。
病気による解雇等について、労働基準法が定める「健康管理規程」に基づいて、会社には以下のような義務が課せられます。
1.疾病予防、健康増進、早期発見、早期治療のための体制の整備
・健康管理相談、健康診断の実施
・医療機関との連携等
2.疾病の重大な症状等があった場合の措置
・適切な医療機関の指示
・当該労働者の職業上の能力を考慮した措置の実施等
また、いったん休職した場合でも、働くことができるように配慮する措置が求められます。つまり、会社には、病気によって業務に支障がある場合でも、解雇や辞職勧告をする前に、手厚いサポートを受けられるようにすることが求められます。
例えば、「休業証明書」を提出した場合、休む必要があった期間分の給料が支払われるようになっており、その後も就業に復帰することができれば、復帰に向けた準備や、職場復帰後の就業支援、職務内容の見直しや配慮等の必要最低限の措置が取られることになります。
復職後にも働きやすい環境を整えるための制度としては、「継続雇用制度」があります。順調に治療を終えて、復帰したときには十分な力が付き、また、経験・実力を発揮できるように期間を設け、その期間中は従業員の労働条件や待遇を維持する制度です。
継続雇用制度において、会社が解雇や勧告を行った場合、その解雇や辞職勧告が正当であるかどうかについては、以下のように判断されます。
1.治療期間中に解雇された場合
・解雇された直接の原因が病気による不良出勤であること
・解雇通知を受ける前に外部の医師から働けるとの医療指図を受けたこと
・解雇通知を受ける前に相談できる健康管理担当者がいたこと等
2.治療期間の終了から短期間内に解雇された場合
・解雇通知を受け、治療期間の終了後に診断書を提出したこと
・治療期間中は会社とのコミュニケーションを欠かさず、退職希望の表明や、解雇の根拠となる問題を放置するなどの態度を示していないこと
・緊急を要する事情がある場合以外は、一定の猶予期間を設け、労働条件等を見直して改善するための措置を講じていること
以上のように、会社は健康管理規程に基づいた適切な措置を講じ、労働者の健康管理と応援が求められるということがわかりました。ただし、必ずしもこれらの措置が実施されるとは限らず、解雇や辞職勧告をされてしまう場合もあります。
もし、会社側から解雇や辞職勧告を受けた際は、まずは自分自身が自己防衛することが大切です。
1.法的根拠を確認する
・解雇や辞職勧告の理由や手続きに不備があるかどうか確認する
・健康管理規程に基づいた対応をもらっていない場合は、問い合わせたり、労働組合に相談したりすることも考えましょう
2.解雇通知書などを保存する
・法的処置を起こす場合、証拠となる解雇通知書や記録を保存しておくことが必要です
3.労働組合や弁護士に相談する
・会社に対しての不当解雇には、労働組合、労働局、あるいは弁護士に相談することができます
・相談窓口や法的処置の方針等については、各労働組合、民間機関のサイトなどで確認することができます
4.ストレスや心のケアを行う
・解雇や辞職勧告をされた場合は、ストレスや不安を感じることが多いです。
・身体的なリスクを背負うので、自分の体調を確認しながら、睡眠や食事に気を付けることも忘れずに行いましょう
以上のように、病気を理由に解雇や辞職勧告をされた場合、会社と労働者の双方が法的なルールに従って対応することが必要です。もし解雇通知を受けた場合は、自分自身ができる限りの自己防衛を行い、必要に応じて相談窓口や弁護士に相談することをおすすめします。
おすすめ法律相談

私は会社でIT担当の社員として働いています。最近、私が管理するシステムに不正アクセスがあり、顧客の個人情報が漏洩してしまいました。このことが原因で名誉毀損の疑いがあると社長から言われ、退職を勧められました。自分が担当していたシステムに問題があると思っていますが、弁護士に相談してどうすれば良いでしょうか。
まず、不正アクセスや個人情報の漏えい、名誉毀損の疑いがある事案については、犯罪...

不動産業者のFさんは、自社ウェブサイトで顧客の情報を取り扱っています。最近、ウェブサイトがハッキング攻撃を受け、顧客の個人情報が流出したことを知りました。Fさんは、すぐにこの問題を解決する方法を見つけて、情報流出を防ぐ必要があります。
本問題では、不動産業者のFさんが自社ウェブサイトで顧客の情報を取り扱っており、...

個人事業主として収入を得ているため、所得税の確定申告が必要です。しかし、収入が少なく控除額を上手く活用したいと思っています。どのような方法があるでしょうか。
個人事業主として収入を得る場合、所得税法により所得税の申告が必要です。所得税は...

Gさん Gさんの母親が亡くなり、相続手続きを進める中で、Gさんが母親と仲が悪かったことが分かりました。母親からは何も相続できず、Gさんは相続放棄を考えています。
相続放棄とは、相続人が相続財産を放棄することを意味します。相続財産には、不動産...

取引先から贈り物を受けたときに、その取引先に有益な情報を教えてしまったことに気づいたのですが、内部告発をすると自分自身も問題になる可能性があるので、何か方法はないでしょうか?
取引先からの贈り物がビジネス上問題となった場合、法的には贈受行為が不正であると...

解約したいが、契約書には違約金の記載がある Jさんは、美容師として活動している個人事業主です。先月、美容院との契約書を交わしましたが、移転のために解約を考えています。しかし、契約書には違約金の記載があり、どうしたらよいか悩んでいます。
契約書に記載のある違約金によって、契約を解約することができないと悩んでいるJさ...

Cさんは80歳の女性で、介護施設に入所しています。ある日、介護士が誤ってシーツに介助中のCさんの手を挟んでしまい、手に大きな傷ができてしまいました。このような事故が起こった場合、どのような対応が必要なのでしょうか?
介護施設に入所しているCさんのケースでは、介護施設は彼女の適切かつ安全なケアを...

Bさんは、工事中の不法侵入者による防犯カメラの破壊について相談しています。カメラは防犯のために設置されたものであり、破壊により大きな被害が発生したと考えられます。対応方法についてアドバイスをいただけないでしょうか。
まず、不法侵入者による防犯カメラの破壊は、刑法上の「器物損壊罪」に該当します。...

自分が経営する会社のウェブサイトに、業務上秘密である情報が不適切に掲載されてしまいました。Eさんは直ちに削除を求めたところ、ウェブマスターは全く反応しません。このような場合、どのようにして対処すればよいでしょうか。
まず、ウェブサイトに掲載された業務上秘密の情報がどのように扱われるべきかについ...