知的財産権(特許・著作権など)

...
Dさん(映像作家): 自分が撮影した映像が、ある企業によって広告として使用されていることを知りました。権利の主張をするにあたって詳しい手続きや注意点を知りたいです。

Dさんが撮影した映像が、ある企業によって広告として使用されているという状況は、著作権法上の使用許諾の範囲を超えた二次利用にあたります。このような場合、著作者が権利を主張することができます。以下では、Dさんが権利主張をするために必要な手続きや注意点について詳しく説明します。



1. 映像の権利の有無を確認する



まず、Dさんが権利を主張することができるためには、その映像が著作権法上の保護対象である必要があります。映像が保護されるためには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。



・創作性があること

・個性が表現されていること

・具体的な形で表現されていること



Dさんが撮影した映像が、これらの条件を満たしている場合は、著作権法上の保護対象となります。ただし、Dさんが映像の権利を他者に譲渡していた場合や、映像には著作者としてDさん以外にも関係者がいた場合は、その関係者の意思を確認する必要があります。



2. 権利者を特定する



Dさんが撮影した映像が著作権法上の保護対象であることが確認できた場合、次に権利者を特定する必要があります。権利者は、著作者であるDさんである可能性が高いですが、撮影を依頼された場合は依頼者が権利者となることもあります。



3. 違法利用の事実確認と証拠収集



違法利用の事実を確認するためには、まず広告などで使用されている映像が、Dさんが撮影したものと一致しているか確認する必要があります。その上で、広告に使用された映像が著作権法上の保護対象であり、許可なく利用されていることを確認します。



証拠収集の際には、広告を見たり、その広告が掲載されている場所を確認するだけでなく、広告に使用された映像とDさんが撮影したものが一致していることを証明するために、撮影時期や撮影場所などの証拠を収集することも必要です。



4. 権利主張の手続き



権利主張の手続きには、以下のようなものがあります。



・警告書の送付

・損害賠償請求の提起

・差止請求の提起

・訴訟の提起



まずは、警告書の送付から始めます。警告書は、侵害を行っている者に対して、その侵害行為をやめるよう求める書面です。この警告書の送付によって、相手に侵害行為をやめるよう促すことができます。



警告書を送付しても侵害行為が続く場合は、次に損害賠償請求や差止請求の提起を検討します。これらの手続きは、裁判所に提起することができます。



損害賠償請求は、侵害行為によって発生した損害を相手に賠償してもらうための手続きです。侵害行為によって、Dさんが受けた損害を具体的に証明しなければなりません。



差止請求は、相手に対して侵害行為をやめるよう求める手続きです。差止請求を認める判決が出ると、相手は映像の使用をやめることが義務付けられます。



最後に、訴訟の提起についてです。警告書や損害賠償請求、差止請求などの手続きで問題が解決しない場合、裁判所に訴訟を提起することができます。



5. トラブルの解決



権利主張の手続きを行った後、トラブルが解決された場合は、以降の二次利用についても十分に検討する必要があります。映像の使用について明確な許諾を得た場合や、ライセンス契約を締結した場合は、これらの契約に基づいて利用を認めることができます。



また、トラブルが解決された後も、今後の二次利用については契約を締結することが望ましいです。この契約には、利用期間や使用料、使用方法、返却方法などが含まれることがあります。



以上が、Dさんが権利主張をするために必要な手続きや注意点です。映像の権利を主張するにあたって、著作権法や契約法上の知識を持っていることが重要です。あくまで法律上の手続きを取り、解決を図ることが大切です。

おすすめ法律相談

相手が子供の養育費を支払わない場合、どうなるのか Iさんは30代の女性で、離婚後に相手が子供の養育費を支払ってくれない状況にある。どうやって支払ってもらえるのか、支払わなかった場合どうなるのか知りたいと相談してきた。

Iさんが離婚した相手が子供の養育費を支払ってくれない場合、Iさんは法的な手段を...

Eさんは、小売店に勤務しています。クレジットカード番号や住所など、個人情報を扱っています。しかし、最近は情報漏洩事件が多発しており、Eさんは不正アクセスや盗難の可能性について心配です。Eさんは、どのように対策をすれば良いでしょうか?

現代社会において、情報漏洩という問題は大きな社会問題となっています。特に、小売...

Eさんは、自分の小説が他の人に盗作されたことを知り、大きなショックを受けている。彼女は、小説に完全な著作権を持っており、どのように訴えるべきかわからない。

著作物とは、創造性を持って創作されたもの(文章、図画、音楽、映像、プログラム、...

男性、32歳、コンサルタント 私が勤める会社で、同僚からパワハラを受けました。勉強熱心で、仕事への取り組みが真面目だと評価を受けていたため、加熱した社内競争の中で嫌がらせを受け、ストレスを感じています。その対処法を伺えますか。

まず、パワハラを受けた場合、被害者は被害者支援制度や人事部に相談することが望ま...

労働災害でケガをしたが、会社からは治療費の支払いがあったにもかかわらず、もう一度同じ箇所にケガをした場合は自己負担になると言われた。労災認定後に同じ箇所にケガをした場合の治療費はどうなるか相談したい。

労働災害でケガをした場合、事業主は被害者に対して適切な労働災害の処置をしなけれ...

私が働いていた会社で、上司からのセクハラがあり、精神的に追い込まれています。どのように助けを求めれば良いですか?

セクハラとは、性的な行為や言葉、態度によって他人を傷つけたり不快にさせたりする...

C社がある商標を登録していたところ、別の会社から「商標が似すぎているため無効」と異議申し立てがありました。しかし、C社側は異議申し立てを受けたことがなく、その会社の商標についても知りませんでした。どうすればよいでしょうか。

まず、商標法に基づき、商標登録を受けるためには、その商標が他者の商標等と混同さ...

婚活パーティーで知り合った相手と結婚し、結婚後も十分な愛情を持ち合わせているが、法的に注意すべき点があれば相談したい。

まず初めに、婚活パーティーで知り合った相手と結婚し、十分な愛情があるということ...

遺留分減殺の理由が適正かどうかを判断するためには、どのような要素を考慮すべきでしょうか?

遺留分減殺とは、相続人の一部が、適正な事由なく相続分から減殺されることを指しま...

私が務める企業には、「告発者保護規定」があります。しかし、内部告発した従業員が更迭された例が過去にあります。このような場合でも、報告することが最善の策なのか悩んでいます。

企業において、内部告発制度が整備されていることは大変重要なことです。企業内に何...