コンプライアンス・内部告発
Jさんは、ある中小企業に勤務している。最近、経理上の不正行為を怪しんだため、コンプライアンス部門に内部告発したが、上司から報復を受け、仕事に支障をきたす状態になっている。どう対処すべきか相談したい。
Jさんが内部告発をした内部告発行為自体は、企業内において善意の行為として歓迎されるものであり、法律的にも保護されるものである。日本における内部告発制度は、2018年に施行された「内部通報者保護法」によって一層保護されるようになり、内部告発者への報復を防止する取り組みが強化されている。
内部通報者保護法は、内部告発者が不利益な扱いを受けた場合に、企業に対して損害賠償請求をすることができるようになっている。また、内部告発をしたことが原因で解雇などの不当な処遇を受けた場合は、最長で6か月間の賃金相当額が支払われるようになっている。
上司から報復を受けた場合、まずは企業内のハラスメント防止規定や内部通報者保護規定に従い、上司による報復行為を防止するよう申し入れることが重要である。企業側がこれを無視する場合には、労働契約法や労働基準法などの法令に基づいて、企業に対して正当な要求や申し立てをすることができる。
労働契約法においては、企業が労働者に対して不当な評価や不適切な処遇を行った場合には、労働者は労働契約の無効確認や損害賠償請求をすることができる。一方、労働基準法においては、企業が労働者に対して嫌がらせや差別的な扱いを行った場合には、労働者は企業に対して是正勧告をすることができる。
ただし、これらの手続きは労働者自身が直接行うことは難しい場合があるため、労働組合に相談することが望ましい。労働組合は、労働者の利益を擁護する法人であり、企業との交渉や労働紛争に関する補助を行うことができる。
内部告発によって精神的・経済的に苦しんでいる場合には、「内部告発支援センター」や「内部通報者支援ホットライン」に相談することができる。これらの支援センターは、内部告発によって不利益な扱いを受けた労働者に対して、法的アドバイスやカウンセリングなどの支援を提供するものである。
以上のように、内部告発によって報復を受けた場合には、企業内の規定に従い、まずは上司に対して報復行為を防止するよう申し入れることが重要である。企業側がこれを無視する場合には、法的手続きを踏んで正当な要求や申し立てをすることができるほか、労働組合や支援センターなどからの支援を受けることが望ましい。内部告発者保護法によって内部告発者の保護が一層強化されているため、実現可能な範囲で対処方法を検討し、適切な方法で問題の解決を図ることが大切である。
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