勤務規則・就業規則
就業規則が法令に照らして改正が必要であると考えており、労働組合による協議を希望している
日本において、雇用関係における労働者の権利擁護を目的とする法律は多数存在します。労働基準法はもちろん、労働組合法や労働安全衛生法、雇用対策法、母性保護法、介護休業法、働き方改革関連法など様々な法律があります。これらの法律が遵守されるためには、各企業が就業規則を定め、労働者に対して周知・徹底することが求められます。
ただし、就業規則は法令に照らして改正が必要になることもあります。労働者にもっと有利に働くように規定されている法律が改正により制定された場合、企業はそれに合致するように就業規則を改正しなければなりません。また、社会の変化に伴い、従業員の雇用条件や労働環境についての新たな規定が必要になることもあります。例えば、疲れを感じた社員が自由に休憩が取れるようにしたり、労働時間外にメールの返信を求めない規定を作り、ワークライフバランスの改善を図ることが求められています。
企業が就業規則の改正を行う場合、原則として労働組合との協議が法的義務となります。労働組合は、その労働者の最低限度の権利保護を確保し、労働者の福利厚生や労働環境改善などを求めることを目的として設立された組織です。労働組合が加入する職場においては、企業が就業規則の改正を行う際には、事前に労働組合に通知し、協議を行うことが求められます。
労働組合による協議は、法律で明確に定められています。例えば労働基準法第89条では、企業が就業規則を改正する場合、単一労働組合に通知し、最低でも14日間経過後に改正の意思を伝えることが求められています。さらに、労働組合側からの意見や要望を踏まえ、合意形成を図ることが求められています。労働組合側が合意しなかった場合、改正を強行することはできません。
また、労働組合法では、企業と労働組合との協約の締結や協議、ストライキなどについて規定されています。就業規則の改正に関する協議も、これらの法律に基づいて実施されることになります。
ただし、労働組合が存在しない場合や、従業員の数が少ない企業では、労働者からの意見を聞いた上で、就業規則の改正を行うこともできます。ただし、協議を行わないことにより、従業員に対して合意形成を図る機会が与えられないため、雇用条件や労働環境に対する不満が高まり、企業と従業員の間に対立が生じることがあるため、できる限り労働組合との協議を行うことが望ましいです。
以上、就業規則の改正に伴い、労働組合による協議が必要であることを法的観点から説明しました。企業が就業規則を改正する際には、関係法令を遵守し、適切な手続きがとられるよう注意することが求められます。また、労働組合との協議を通じて、組織全体の雇用条件や労働環境改善に向けた取り組みを行うことが、企業としての社会的責任を果たすことであります。
おすすめ法律相談
自分の会社の取引先が暴力団関係者であると知り取引を停止したいと考えています。しかし、取引相手がどの暴力団に所属しているのか特定することができません。どのようにすれば取引停止をすることができますか?
私たちが定めるこの回答は、暴力団団体との取引に関する日本国法律に基づいた情報提...
Aさんは、父親を亡くしてからというもの、母親と兄弟たちが争っている現状に悩まされています。父親の遺産については、母親と兄弟たちがそれぞれ遺産分割協議を進めており、Aさんもその協議に参加しています。しかし、Aさんが感じるのは、自分の権利が不当に侵害されているような気がすることです。そこで、「権利関係の確認・証明」について相談したいと思っています。
まず、Aさんが感じているような権利の侵害がされている場合、それは法的にはどのよ...
海外のサイトから購入した商品が届かなかったり、欠陥品だった場合の対策を教えてください。また、相手先が日本ではない場合の対応についても教えてください。
海外のサイトから商品を購入し、届かなかったり欠陥品だった場合、消費者がどのよう...
債務整理をする場合、弁護士や司法書士に費用を支払う必要がありますが、初期費用や総費用はどの程度かかるのでしょうか?
債務整理とは、借金や負債が返済不能になった場合、返済計画を立てたり、支払いを免...
不動産の賃貸契約書について。家賃が滞ったために解約金を支払うことになりましたが、契約書には明確な解約金の金額が書かれておらず、また敷金の返還に関する記載も不十分で、現在契約解除後も家主からの連絡が来て困っています。
この場合、家賃が滞ったために解約金を支払うことになったということから、当該賃貸...