離婚・家庭問題

「子どもの親権についての相談」 Eさんは、離婚後、子どもを引き取るかどうかに悩んでいます。離婚の原因は、夫の不倫にあるため、夫に子どもを託すことができないと判断しているEさんですが、子どもの将来を考えると、引き取ることができるのかどうか不安を抱えています。親権を決定する基準や要件について教えてください。

まず、日本の民法には、「親権は、母にある。ただし、裁判所は、父にもこれを与えることができる。」（民法７５１条）と定められています。つまり、親権者は、原則として母親ですが、父親にも与えられることができます。

親権とは、子どもの生涯にわたる養育、教育、監督などの権利と責任を指します。つまり、親権者は、子どもの全体的な福祉を考慮しながら、日々の生活や将来の教育などを決定し、それを実行する責任があります。

離婚後の親権については、別居中の夫婦が合意することができますが、合意がなければ、裁判所が親権を決定します。その場合、裁判所は、以下の基準や要件を考慮します。

1. 子どもの福祉が最優先であること

親権を決定する際には、常に子どもの福祉が最優先となります。裁判所は、親権者による子どもの養育や教育、及び子ども自身の希望を重視して、子どもにとって最も良い選択肢を選びます。

2. 子どもにとって必要な養育・教育の継続性が重要であること

別居後の親権決定において、子どもにとって必要な養育・教育の継続性が重要な要素です。つまり、子どもが現在受けている養育や教育を維持することが重要であるとされます。そのため、例えば、子どもが現在住んでいる環境や学校に関することを、親権を決定する際に重視することがあります。

3. 親権者の養育能力が評価されること

親権者の養育能力も、親権決定の重要な要素です。裁判所は、子どもの良好な養育を確保するために、親権者の養育能力を慎重に評価し、親権を付与するか否かを決定します。

4. 夫婦間の関係や状況が考慮されること

夫婦間の関係や状況も、親権決定の重要な要素です。例えば、夫が不倫をしたことが原因で離婚になった場合、夫に子どもを託すことが適当でないと裁判所が判断することがあります。

以上が、裁判所が親権を決定する際に考慮する基準や要件です。親権を取るためには、上記の要件を満たすことが必要です。裁判所が親権を付与する場合は、親権者が子どもの生活や教育に必要な支援や援助をしっかりと行うことが求められます。

しかし、裁判所による親権決定は、子どもの福祉を最優先として判断するため、親自身が願う親権を取得することができない場合もあります。そのため、夫婦が協力的に話し合い、子どもにとって最も適した方針を見つけることが重要です。また、離婚後の親権問題に関しては、専門家に相談することをおすすめします。