勤務規則・就業規則

...
就業規則で定められている服装規定に違反した場合、罰則として給与の減額がなされます。これは違法ではありませんか?

日本において、法律上で定められた服装規定が存在するわけではありません。しかし、企業や団体などの雇用主が、労働者に対して労働時間中の服装について定めることは認められています。この定めが「就業規則」と呼ばれるものであり、労働者が働く場所で適用される規則のうちの一つです。



就業規則は、労働者が就業する上でのルールや規範を定める必要があります。ただし、その内容は、法律的な要件や規定、公序良俗に反しない範囲で決めることができます。つまり、労働者に着用してもらう服装に関する規定も、売り場で接客する職員はスーツを着用する、工場で作業する職員は安全靴と作業服を着用するなど、職務に応じて決めることができます。



しかし、就業規則において、服装規定に違反した場合の罰則として給与の減額を定めた場合、その適法性は疑問が残ります。



失業者保険法や最低賃金法に基づき、雇用者は労働者に対して明示された労働条件に従い、定められた給与を支払うことが義務付けられています。つまり、労働者がパフォーマンスによって給与が変わるような「実績給」といった定量的な評価が基準となる場合を除いては、労働者が適正な業務を行い、時間内に成果を出していれば、給与削減は認められないと考えられます。



また、厚生労働省が策定する「徴収・返還・罰則等の具体的適用基準に関する通知」には、賃金差別を禁止する法令の規定及び労働法制上の規定に抵触しない限り、各種罰則が設けられていることが記載されています。



具体的には、就業規則で定められた罰則が下記の場合を除き、違法とされます。



・最低賃金法等の法定賃金が支払われている場合

・役員、監査役、取締役及び経営者である場合

・収入が支給されない場合



上記のいずれにも該当しない場合には、就業規則に違反した場合の給与の減額が違法とされる可能性があります。ただし、労働者が就業前に就業規則に目を通しておかず、その規定に従わなかった場合、雇用主が合理的な注意義務を果たした場合、双方の合意があった場合など、状況によっては判断が異なることもあります。



以上のように、就業規則の服装規定に違反した場合の罰則として、給与の減額が違法であるかどうかは曖昧な部分があります。労働者と雇用主との間には、納得のいく就業規則を共に定め、労働条件についてしっかりと双方が理解し合うことが重要です。

おすすめ法律相談

Dさん Dさんは、IT企業で正社員として働いていました。しかし、部署の異動により、業務内容や職場の待遇が大きく変わり、身体的にも精神的にも負担が大きくなっています。Dさんは、解雇を望んでいる訳ではありませんが、労働条件の改善を求めて相談してきました。

法律的に見た場合、Dさんは労働基準法による労働条件の改善を求めることができます...

日本に30年以上住んでいるが、日本国籍を持っていない外国人です。定年退職後に帰化を考えていますが、年齢的に遅すぎるでしょうか?

日本に30年以上住んでいるが、日本国籍を持っていない外国人の方が、定年退職後に...

離婚後に元夫から養育費をもらっているが、最近になって支払いが滞り、不安になっている。

養育費の支払いは、配偶者間の離婚を経て夫婦の生計が別々になった場合において、子...

Hさんは50代の男性で、アルコール依存症のため、仕事を失っています。Hさんの妻であるIさんは、家庭での生活費と家事をまかなっていますが、最近Hさんが酩酊して暴れることが多くなってきました。Iさんは成年後見を考えていますが、Hさんは自分で管理できると言い張っています。

本件において成年後見人の任命に該当する法律手続きは、成年後見制度法第5条に基づ...

会社の業績が悪く、所得税納付能力がない場合、どうすればいいでしょうか?

会社が業績が悪く、税金の納付能力がない場合、まずは直ちに行動を起こす必要があり...

海外からの輸入に際し、輸出入許可証を取得しなければならないと聞いたが、必要な手続きや申請書類について知りたい。

海外から商品を輸入する場合、輸出国の法律に加えて、日本の法律や規制も遵守する必...

自分が勤める会社が取引相手が暴力団対策に反しているとして、取引を停止したところ、新たな取引先が見つからず、業績が低迷しています。どのようにすれば新たな取引先を見つけることができますか?

まず、取引相手が暴力団対策に反する場合、それは法的に問題があることです。日本国...

Aさんは、IT企業に勤務しており、社内のデータベースにアクセスができる権限を持っています。Aさんは、個人情報を含むデータのアクセスログを見ていたところ、他の従業員が不正に検索し、個人情報を閲覧していたことが判明しました。Aさんは、不正ログインの対応策をどうすれば良いでしょうか?

まず、Aさんがこの問題を所属する企業に報告することが必要です。企業は、個人情報...

Iさんは、養育費をもらっている子どもの父親が亡くなってしまいました。相続財産について知りたいと思っています。

Iさんは、養育費をもらっている子どもの父親が亡くなってしまったため、相続財産に...

Cさんは飲食店で食中毒にかかり、膨大な治療費がかかってしまいました。その後、店にクレームをつけたところ、一切の責任を負わないと返答されました。この場合、どうすればいいでしょうか?

Cさんが飲食店で食中毒にかかり、治療費がかさんでしまったという事案は、消費者ト...