犯罪被害の救済・被害者支援

私の親戚が自殺をしてしまいました。自殺の原因が仕事からのパワハラだと思われ、自殺を引き起こした上司に対して訴訟を起こしたいと考えています。どうすればいいですか？

まず最初に、自殺を引き起こした上司に対する訴訟を起こすための条件や必要な手続き、そして最終的な勝訴に至るまでのプロセスについて解説していきたいと思います。

自殺を引き起こした上司に対する訴訟を起こすための条件

まず、自殺を引き起こした上司に対する訴訟を起こすためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

1. 原因が上司からのパワーハラスメントであること

自殺を引き起こした原因が、上司からのパワーハラスメントによるものであることが定まっている必要があります。そのためには、被害者が遺したメールや日記、証言などから、上司からのパワーハラスメントが明確に示される必要があります。

2. 上司が過失を犯したこと

自殺を引き起こした上司が、過失を犯したことが要件となります。上司が過失を犯しているかどうかについては、上司に対する法的責任を決定するための3つの要素があります。

・法的義務：上司には、部下の身体や精神の健康を守る法的義務があります。

・違反行為：上司がその法的義務を違反した、あるいは無視していた場合、違反行為が意図的なものである場合や経験やトレーニングに基づいた行動ではない場合、上司は過失を犯したと判断されることがあります。

・直接的因果関係：過失行為が引き起こした被害の重大さ、可視性、直接的因果関係の完全性などを考慮して上司の過失が原因であることを明確に示す必要があります。

3. 被害者が家族や遺族であること

被害者が家族や遺族であることが条件となります。直接的被害者でなくとも、遺族であれば訴訟を起こすことができます。

以上の3つの条件をすべて満たすことが必要です。

自殺を引き起こした上司に対する訴訟を起こすための手続き

次に、自殺を引き起こした上司に対する訴訟を起こすための手続きについて解説します。

1. 請求状の作成

自殺を引き起こした原因として上司からのパワーハラスメントが上記の条件を満たすと判断した場合、家族や遺族は、被害者の損害賠償を求める民事訴訟を起こすことができます。そのためには請求状を作成し、被害賠償の請求を行うことになります。

2. 請求額の訴訟提起

家族や遺族は、自殺を引き起こした上司に対して、被害賠償を求めるために、訴訟を提起することができます。訴訟の提起には、一定の期間が定められていることに注意しなければなりません。

3. 審理

訴訟が提起された場合、裁判所による審理が行われます。審理で、被害者が上司からのパワーハラスメントを受けていたことが立証された場合、根拠のある請求の結果として、裁判所が被害者の遺族に対して損害賠償を命じることがあります。

自殺を引き起こした上司に対する訴訟に勝訴するためには、根拠があり、弁護士による的確なアドバイスや訴訟を支援する証拠収集等が重要となってきます。

最後に、自殺を引き起こすほどのパワーハラスメントが企業や組織において問題視され始めている事実も明らかになっています。企業が行う公開謝罪や和解金額の報告など、報道されることも増えています。しかし、被害を受けた個人の損害賠償が果たされることがない場合もあり、自殺を引き起こすといった深刻な被害が出ている点からも、社会的性格のある問題と言えます。家族や遺族にできる被害の訴えに応じ、確実な結果を得るためにも、適切な手続きに基づく訴訟の提起に向け、よく検討する必要があります。