著作権・知的財産権

自分で撮影した写真をホームページやSNSに掲載したいと考えています。他人の私物が入っていたり、建物や美術作品が映っていた場合、著作権侵害にならないようにするにはどうすればよいでしょうか?
自分で撮影した写真をホームページやSNSに掲載することは、現代においては一般的な行為です。しかし、そのような写真には著作権法上の問題が潜んでいます。特に、他人の私物や建物、美術作品などがモチーフとなる場合、第三者の著作物の著作権を侵害することがあります。そこで、著作権侵害にならないようにするためには、以下のような注意点があります。
1. 個人の私物に注意する
自分で撮影した写真に個人の私物が写り込んでいる場合、その私物の所有者の著作権が侵害される可能性があります。例えば、公園で撮影した写真に、他人が持っている犬や自転車などが映っている場合、その犬や自転車の所有者が自分の所有物の写真が無断で掲載されたことによって、著作権侵害と考えて訴えることができます。そのため、個人の私物が写り込んでいる場合は、あらかじめ所有者の許可を取得するか、写真をトリミングして個人の私物が映らないようにしてから掲載するようにすることが望ましいでしょう。
2. 建物に注意する
自分で撮影した写真に建物が写り込んでいる場合、建物の著作権を侵害することがあります。しかし、建物には著作権が認められている場合と認められていない場合があります。建物が「芸術的価値を有する建築物」として登録されている場合や、建物の設計図面が著作物として登録されている場合は、建物の著作権が認められていると考えられます。そのため、そのような建物には注意が必要です。ただ、通常の建物や公共施設については著作権が認められていない場合がほとんどであり、そのような場合には、特に注意する必要はありません。
3. 美術作品に注意する
美術作品については、作品の種類によって著作権の侵害がある場合とない場合があります。例えば、パブリックドメインに属するもの、著作権が切れたもの、公的な場所に展示されているものについては、著作権の侵害の心配がないと考えられます。しかし、現代美術作品など最近の作品については、著作権保護期間内であっても展示されている公共の場で撮影したものであっても、その著作権を侵害している可能性があります。著作権侵害にならないようにするためには、作品の著作権者に許可を得たり、展示規約を確認することが必要です。
4. 無断使用のリスク
自分で撮影した写真を掲載する際には、他人が所有する著作物の著作権を侵害していないかどうかを事前に確認する必要があります。もし、他人の著作物を無断で使用した場合、著作権侵害に問われる可能性があります。また、無断で使用したことによって、著作権侵害による損害賠償や、掲載者に対する名誉毀損による損害賠償を請求されることもあります。したがって、自分が投稿した写真に著作権侵害がある場合、その責任を自ら負うことになることは十分に理解しておく必要があります。
5. 無料で使用できる著作物
ネット上では、自由に使用できる著作物も存在します。CC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)というライセンスのもとで公開されている著作物は、無断で使用することができます。また、商用利用や複製などにも制限がありません。一方、CC BYやCC BY-NDといったライセンスでは、作品の一部や全体を複製することができますが、その場合は必ず著作者のクレジットを表示する必要があります。その他、無料で使用できる著作素材を提供するサイトもありますので、利用する場合はライセンスを確認することが大切です。
6. 結論
自分で撮影した写真を掲載する際には、他人の著作権を侵害しないように十分に注意する必要があります。個人の私物や美術作品などが写り込んでいる場合には、あらかじめ所有者の許可を得るか、トリミングして個人の私物が映らないようにするようにしましょう。また、無料で使用できる著作物があることを活用することも重要です。最終的に、無断使用のリスクを理解して、自分が撮影した写真を掲載する際には、慎重な判断をすることが求められます。
おすすめ法律相談

祖母が亡くなり、相続財産を分けることになりました。しかし、祖母には2人の子どもがおり、うち一人が相続放棄したため、もう一人がすべてを相続することになりました。遺留分減殺の状況について教えてください。
相続放棄をすることで、相続人としての地位を放棄することができます。相続放棄した...

Iさんは、親権を持つ父親が子どもを養育しないため、自分が子どもを引き取って育てたいと思っています。しかし、父親は引き渡しを拒否しています。どのようにすれば良いでしょうか?
この場合、Iさんが子どもを引き取って育てるためには、法的手続きを踏む必要があり...

「Fさん」は、長年にわたって長時間勤務を強いられ、体調を崩してしまった。病気休職をしたいが、会社からは断られている。病気休職に関する法的な知識や、会社との交渉について相談したい。
病気休職に関する法的知識 労働基準法には、「労働者に対し、その健康を損なうこ...

Gさんは、派遣社員として銀行に勤務しています。契約期間は数か月に限られており、次の雇用先について前向きな話もなく、不安を感じています。また、残業が頻発し、遅くまで残っていることも多いため、労働条件改善を求めています。こうした状況で、交渉するためのアプローチやポイントを知りたいと考えています。
Gさんが派遣社員として勤務しているため、就業の基本的条件については、派遣元の派...

Eさんは40歳の女性で、夫が他界し、相続問題で揉めている。Eさんと夫は財産を共有していたが、夫の親族からの要求が強く、Eさんは自分の権利を守るために専門家の助けが必要だと考えている。相続税や贈与税の問題だけでなく、相続人としての権利や財産分与についても知りたい。
まず、Eさんが相続人としての権利を持つためには、夫の遺産を法定相続人として分割...